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現場 の なげき [雑感]

先日から、マンションの基礎杭の長さが足りなかった

問題が、話題に成って居る。

業者の方達には、違う思いが有るでしょうが、あえて書きました。

この問題は、たった数人の現場で作業した人達が、犯した罪である。

「罪」と、云っても自ら好んで犯した「罪」では無い事は判っている。

やむにやまれず犯した「罪」である。

どこかの定期バスの運転手が、長い間 終点迄行かず、折り返して居た

ケースとは違うと、思います。

いや、思いたい。

結果には必ず原因が有る。


物理的に云えば、寸法が足りなかった事、その原因は杭打ち位置の

岩盤迄の深さ測定誤差か杭の寸法ミス。

見えないから、起きる問題、でもある。足りなかったら足せば良い(現場調整)、

又は、やり直しです。

それが出来なければ(費用面と納期面で)、トボケルしか無い。

施工者だけしか知らないし、データだけ改ざんして置けば、判らない。


判る迄に、時間が掛かる。(大きな地震でも無ければ、問題無い)

地表から見ても判らないのだから、あとは「運を天に任す」運が良ければ、

永久に判らない。

有ってはいけない事であるが、今回の事は、運が悪かっただけ。

こんな、考え方をさせてしまう様な経営にも問題が有る。

寸法ミスは、余程の事が無い限り起こらない。何故かと云えば、地上で測れるから。

地下の見えない岩盤の状態は、ボーリング等で調べるが、位置がほんのわずかでも

ずれたら、どうなって居るかなんて判らない。

じゃがいもの芽の部分は、肌面から凹んでいる。

もともとじゃがいもの外形は平らでは無く、岩盤なんて、じゃがいもと同じ様なもの。

もっとひどく、岩が有ったりする。

超音波等で状態を見ても、誤差は無くならない。見ないよりは良い。

吉村作治先生が、エジプトの地下で遺物を探す時と、同じであり、大きなものは探しやすい。

確かだろう寸法で杭をつくっても、真っ直ぐに打ち込めるとは限らない。

斜めに打ち込んだら、寸法は足りなく成ってしまう。

長ければ長い程 狂い易く、鋼管でも長いと曲がるのです。

シェールガスは、日本の厳選された鋼管を地下に垂直打ち込み、途中から曲げて、

シェール層(頁岩層)に、水平に押し込むのです。

この場合、鋼管が曲がらなくては成らない。品質が悪ければ、曲がり部分で

割れてしまいます。

割れたらガスもオイルも漏れてしまいます。細くて長ければ、曲がりますが

(注射針は曲がります)、太くて短いと曲がらず、直径と長さの比率で考えます。

つまり、地中の事は、「確かであろう。」なのです。

土木現場で、厄介なのは、地下水でしょう。


今は電気の力で、抵抗値を測定して、「確かであろう」を 確認して居る様です。 

これ等の現場仕事の内容について、ゼネコン等の経営者達は 理解しているのだろうか?

(「必要な場所に、正しく打ってます。」との話や書面を丸呑み) 

経営的に見て、落札金額から、予算と納期を決める。

経営的には見積り金額より低い金額で、入札する。

取り敢えず落札する事が最大目的で何よりも最優先し、仕事をとる。

見積りより低い金額で落札したら、後は落札した金額から、利益優先した後の、

金額に収まる様に、帳尻を合わせ、しわ寄せは現場に来る。


トップダウンですから、上から利益先取りしていくと、実際に施工する会社には

ギリギリの金額が来る。


これが体質なので、変わらない構図でしょう。

何かを作る事は、口先だけでは出来ないのです。

「金が有れば、何でも出来る」と云う人達には、到底理解できない

世界かも知れない。

全て話や紙、PCのモニター上で、物事を決めて居る。

(絵に描いたボタ餅を、食べられる様にする。)それでも、気に成れば、

コンサルタント等から、話を聞いて納得してしまい、経営している。

コンサルタント自身が広範囲の現場(3Kと云われる)掘削地下や

鉄板を敷いた道路の下等の工事現場を経験をしているかどうか。



樹脂製品なら成形現場、金型成型現場、金属製品ならプレス現場、

切削現場、縫製なら縫製現場等キリがありません。

現場は無数に有り、それぞれに独特なノウハウが有り一朝一夕で身に

付きません。それなりの技術的な裏付けが必要なのです。


それは、見よう見まねではなく本質を見極められる力量が必要なのです。

10年以上前の事です。その頃3次元設計が、主流に成りつつあり、

バリバリモデリングの仕事を、こなす人が居て、モデリングについて

他人に教えていました。

あるとき、その彼が意外な事を話したのです。

「モデリングは出来るのですが、設計出来ないのです」と云い、

よく聞けば、単純な箱も設計する事が出来ないらしい。

確かに、設計するには、様々な情報とテクニックが必要なのです。

例えば、箱ですが、フタ付き箱の場合でも、単なる弁当箱の様なものや、

フタと本体の外面が同一面なもの(インロー)の作り方にも、いろいろ有ります。


コストダウンしながら、強度や使い勝手や金型を造る際の抜き勾配や、

面と面が直角に合わさる角や3面が合わさる角の処理をどうするかなど

(樹脂と金型が離れ易くするノウハウ)。箱の厚さはどうすれば良いか。


ヒケ (樹脂の場合、厚肉部分の面が冷えると凹む)は、どうか、

薄い部分に湯(加熱された液状の樹脂)が、充填出来るか(材料の

樹脂が細い通路を満たせるかどうか)、等理解しなければ、形状や

寸法が決まりません。金型を造るとき、雄型、雌型(コア、キャビとも云います)が

ありますが、各々に色々なテクニックが必要です成形時金型を一度開くと、

製品が自動的に排出される為に、製品を押し出す細工が必要だったり、

成型機の側で、製品が金型から外れ易くする為、金型に離型剤を

スプレーしたりします。

成型品は、成形後は高温の為、柔らかいので、成形後落下したら、

変形するかもわかえません。

変形したら欠陥品で価値が無くなります。

この様に、単に箱と云っても、様々な事が絡み合って完成されるのです。

こうして出来上がった品物(完成品)だけ見て、それを利用して商売する。


これは、当然な行為です。

必要以上に、値切ったり、納期を削ったりしたら、材料の質を落としたり、

必要な手順を省き時間短縮を図ります。

でも、その事を隠していれば判りません。

マクドナルドの製造過程の有っては成らない行為も、判らなければ

セーフだったので、今々始まった事ではないだろうは想像がつく。

現場を知らない、机上の空論で、仕事すれば、いつかボロが出て、

首を絞められるのです。

車のリコールにしても、同じです。

のど元過ぎれば熱さを忘れて、食道や、胃や腸を痛める。

亡き 松下幸之助氏も、云っていました。

「結果は、物事の原点から成り立っている」

数十年も前の事で言葉は違っているかも知れませんが

「源流管理」と云う言葉がよみがえります。

自販機でコイン(金さえ有れば)コーヒー缶を買う様な訳には

行かないのです。

自分の目で見て、現実を知り、極端に過度な負荷を現場に押し付けない 

現場を理解した、消費者を忘れず、使用者優先を 心がけた

経営をして頂きたいと思います。

米を食べる人は、稲作の大変さを知るべきですし、

魚だって、店で「金」をだせば、食べられるけれど、

海で船に生命を任せ、捕っていることを知らなければ、

丸投げ経営者と、同じである。


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